海外情報としてよく出てくるCRSって何のこと?

CRSとは、Common Reporting Standardの略で、共通報告基準を意味しています。

税務署が海外情報として入手するものは、正しく表現すれば、「CRSに基づいて行われる自動的情報交換に係る情報」のことを指しますが、これを短く「CRS」と呼んでいるわけです。

CRSの国際的な法的根拠は、OECD(経済協力開発機構)が策定した非居住者の金融口座情報を自動的に交換するための統一的な国際基準と各国の税務当局間で情報を交換するための国際的な枠組みである「多国間税務行政執行共助条約」です。

租税条約での決め事を政府は遂行する義務が当然あるので、法的根拠としてはこれだけでもよいと言えますが、日本では、これらを反映させた「租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(実特法)」を成立させて、これを国内法上の根拠とした上で、詳細を定めています。

「租税条約で定めたことをいわゆる実特法に落とし込む」ということです。

この実特法において、国内の金融機関等(銀行、証券会社、保険会社など)に対し、非居住者に該当する口座保有者の税務上の居住地国と口座情報を国税庁へ報告することを義務付けることで、政府は、各国の税務当局との情報交換を遂行しています。

税務署は、海外情報を入手する手段をいくつか有しており、そのうちの一つとしてCRSに基づいて海外の口座情報等を入手しています。

海外にあるから把握されないだろうと考えるのは妥当ではなく、専門家への早期の相談をおすすめします。

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この記事を書いた人

平 剛史のアバター 平 剛史 大阪市中央区の税理士(元国税調査官)

近畿税理士会南支部所属。税理士登録番号第157314号。(https://www.zeirishikensaku.jp/NzBranchMembersListPerson/List/NDA%ef%bc%9d/MzA0)
国税局・税務署で20年以上にわたり、国際課税、所得税調査、法人税調査、調査審理など、幅広い税務実務に従事してきました。
国税局では、課税部全体を総括する部署や個人課税の運営を行う部署において国際税務専門官の事務運営に従事し、資料調査を専門とする部署において法人税特別調査に従事しました。
税務署では、国際税務専門官付き職員として国際課税に係る広域的な所得税調査に携わるほか、広域的な所得税の特別調査や広域的な調査審理にも従事しました。
現在は、これまでの経験を生かし、国際課税(RSU・ESPPを含む海外投資、海外取引)や税務調査対応を専門とする税理士業を営む傍ら、税金のことでお悩みを抱えている方のために微力ながら何かのお役に立ちたいという思いから、税法実務に関する解説などを発信しています。
詳しい経歴は「当事務所の代表税理士プロフィール」(https://t-cpta-office.com/)をご覧ください。

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